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7/4, 7/18 ぼくのイタリア映画史(5)

  • yasujihp
  • 7月5日
  • 読了時間: 3分

 

みなさんお元気ですか?

 あっという間に7月ですね。気づけば「ぼくのイタリア映画史」も第5回め。ここで告知するまえに、昨日が第一回目の『パンと恋と夢』(1953)でした。この映画、前回お話ししたデ・シーカ&ザヴァッティーニの『ウンベルトD』(1952)と比較すると面白い。


 『ウンベルトD』はネオレアリズモの頂点ともいえる作品で、リアルな社会問題を取り上げるという理念的な眼差しが強烈でした。いってみれば「イデオロジーア」です。一方、コメンチーニの『パンと恋と夢』のほうは、戦後の地方都市の貧困に目を向けながら、何か起こるのじゃないかという未来への想像力がはたらいていた。「ファンタジーア」があるわけです。


 映画のなかの有名な会話を引用しておきましょう。


 「何を食べてるんだい?」

 「パンでさ」

 「うん、パンには何をはさむのかね?」

 「ファンタジーアですよ」

 

 このファンタジーアから生まれた『パンと恋と夢』が、この年の最大のヒット作となり、そこから「イタリア式喜劇」の時代を開いたのです。


 新しい時代を開いたのは、今回取り上げる2本目の『夏の嵐』(1954)も同じですね。ヴィスコンティもまたネオレアリズモを代表する監督と考えられてきました。けれども彼は、この歴史劇で「イデオロジーア」を踏まえながらも、歴史的なメロドラマに向かいます。ヴィスコンティのメロドラマとはオペラですね。映画のなかにオペラ的な主題を持ち込むことになるのです。そしてその背後には歴史的なリアリズムがある。しかも、ヴィスコンティ初のカラー作品。

 この作品については、7月18日にお話ししますね。


 以下、カルチャーセンターの案内文です。


ぼくのイタリア映画史(5) 1950年代のイタリア映画 【立川サテライト教室】 2回にわたる連続講座でイタリア映画の歴史を少しずつふりかえってゆきます。今回はイタリアの戦後を描いた2人の監督の名作をとりあげ、それぞれの作品の成立背景やその意図などをご紹介しながら、その魅力をさぐってみようと思います。 ①7月 4日 バラ色のネオレアリズモ   ルイージ・コメンチーニ『パンと恋と夢』(1953年)  時代は戦後、舞台はイタリア中部にある架空の街サッリエーナ。そこに赴任してきた独身の警察署長カロテヌートを演じるのがヴィットリオ・デ・シーカ。街の女カルメーラにはジーナ・ロッロブリージダ。時代を反映させながらも、笑いのなかに未来にむけた夢を語る喜劇。監督は名匠ルイージ・コメンチーニ。一連のネオレアリズムからは距離を置く娯楽作品を解説しますね。 ②7月18日 メロドラマとイタリアの歴史 ルキノ・ヴィスコンティ『夏の嵐』(1953年)  ヴィスコンティ初のカラー作品であり、初の歴史劇。音楽はジュゼッペ・ベルディとアントン・ブルックナー。カルロ・ボイトの小説『Senso(官能)』を原作としながらも、ヴィスコンティ独自の解釈を加えて、イタリア統一の歴史を振り返る。冒頭のフェニーチェ劇場のシーンは圧巻。その後オペラの演出家としても活躍するヴィスコンティらしい演出。ご一緒に堪能しましょう。

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