12月はもうひとつ。朝日カルチャーセンター新宿でずっとやらせていただいているヴィスコンティの講座では、ヴィスコンティ初のカラー作品『夏の嵐』(1954)をとりあげようと思います。
オープニングがすごい。ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で上映される、ヴェルディの『イル・トロヴァトーレ』の舞台。ヴェネト地方はまだオーストリア支配下にあるなか、イタリア王国との合流をめざす独立派の動きのなか、アリダ・ヴァッリ演じる侯爵夫人のリヴィアは、ファーリー・グレンジャー演じ
るオーストリア将校フランツと恋に落ちてしまう。
前編を彩る音楽。ヴェルディから始まり、道ならぬ恋がはじまるや、ブルックナーが鳴り響くメロドラマにして歴史劇。リアリズムから思い切った飛躍を遂げたヴィスコンティの傑作をとりあげ、その歴史的・文化的な背景にふれながら、作品の魅力についてお話しするつもりです。
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