3月の最後は新宿の朝日カルチャーセンターでのヴィスコンティ。新宿では「ヴィスコンティ、その映画の背後にあるもの」と題して、ヴィスコンティの映画を一本だけとりあげ、作品ができあがる経緯や時代的な背景を紹介しながら、映画の内容を掘り下げてきました。
このシリーズもすでに8回目。今回とりあげるのは『揺れる大地』。戦後のイタリアが新しい共和国として立ち上がったころ、ヴィスコンティもまた戦後初めてメガホンを取ることになります。そんな『揺れる大地』は本来は3部構想だったのですが、結果的には最初の「海のエピソード」だけで完結してしまいます。
それが本来はどういう構想だったのか。どうして最初のエピソードだけで終わってしまったのか。この作品は、ヴィスコンティのフィルモグラフィーのなかでどういう意味を持つことになるのか。そんな疑問の数々への答えを探りながら、よく言われるような「ネオレアリズモ」の傑作という言葉から、こぼれ落ちてゆくものを拾ってみたいと思います。
では、以下に新宿朝日カルチャーセンターの説明文とリンクをはっておきます。
この講座では、ルキーノ・ヴィスコンティの映画を一本とりあげ、歴史や文学との関係のなかで、作品の魅力を考えます。今回は『揺れる大地』(1948) を取り上げます。ヴィスコンティが戦後初めてメガホンを取り、世界的にも大きな影響を与えた作品ですが、その着想はジョヴァンニ・ヴェルガの小説『マラヴォッリャの人々』から来たものです。シチリアの漁村を描くヴェリズム作品を、ヴィスコンティはどのように映画にしようとしたのか、その成立の経緯を追いながら、映画を鑑賞してみようと思います。
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