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  • yasujihp

2024/3/9 アンナ・マニャーニの魅力を探る



 今年の3月はセミナーが続きます。2本目は横浜の朝日カルチャーセンターでのアンナ・マニャーニについてのセミナーです。


 戦後のイタリア映画を追いかけていると、どうしたってマニャーニのことは気になります。その圧倒的な熱量と、圧倒的な魅力、そして底知れぬ深さを抱えた演技。とてもじゃないけれど彼女のことを語ることなしに、イタリア映画は語れない。


 なにしろ、あのロベルト・ロッセリーニを世界的な監督にしたのは彼女の存在感のおかげ。ところがこの色男には誘惑されて捨てられてしまう。バーグマンがやってきたからですね。また、ルキーノ・ヴィスコンティから熱烈に求められながら、『妄執(郵便配達は二度ベルを鳴らす)』のころには妊娠中で出演できず。それでも彼女のために『ベリッシマ』というヴィスコンティとしては異質な映画が撮られることになる。


 さらにピエルパオロ・パゾリーニは、『無防備都市』におけるローマの女の叫びの象徴的な依代となったマニャーニに、ローマの原初の母の姿を見出し(『マンマ・ローマ』)、フェデリコ・フェリーニはその『ローマ』において、ローマを語るのにマニャーニを抜きにはできないとその家を訪ねてみせる。それがフェリーニ作品への最初で最後の出演。それなのに「あんたは信用ならないからね」と言い放つマニャーニの鋭さ。それを平然と笑みを浮かべて受け止めるフェリーニの懐の深さ。


 そんなマニャーニの魅力に惹きつけられたのはイタリア人監督だけじゃない。ヴィスコンティの師匠ルノワールだってそうだし、テネシー・ウィリアムは彼女ために『バラの刺青』を書き、ダニエル・マンが監督しバート・ランカスターの共演を得て映画化し、これによってマニャーニはイタリア人で初めてアカデミー主演女優賞を獲得する。


 いはやは魅力はつきないアンナ・マニャーニ。いったいどんな話になりますやら。乞うご期待。


朝カル横浜の説明書きとリンクは以下のとおり:

この講座では懐かしのイタリア人俳優の姿を通して時代と映画を振り返ります。今回取り上げるのはアンナ・マニャーニ(1908 - 1973)。ロッセリーニの『無防備都市ローマ』(1945)ではナチ=ファシストの占領下に生きる庶民ピーナを演じ、ヴィスコンティの『ベリッシマ』(1951)では娘の成功を願うステージママのマッダレーナ、そしてパゾリーニの『マンマ・ローマ』(1961)では経済成長から取り残されたローマで息子を愛する娼婦の母を演じました。そんな圧倒的な存在感で世界を魅了したマニャーニの映画と人生についてお話ししようと思います。(講師・記) 

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