10月最後の土曜日、ふたたびマルチェッロ・マストロヤンニの魅力についてお話しいたします。
写真は『甘い生活』(1960)のマストロヤンニ。この作品で「ラテンラバー」として世界的なスターとなります。
前回は、小さい頃からチネチッタ撮影所に出入りしていたマストロヤンニが、戦争の混乱を生き残り、戦後にはヴィスコンティの劇団で実力をつけ、やがて映画の世界に本格的に足を踏み入れるまでをお話ししました。
最初は善良なタクシー運転手のイメージが強かったマストロヤンニですが、アレッサンドロ・ブラゼッティの『女泥棒とは残念』(1954)ではソフィア・ローレンとヴィットリオ・デシーカと共演。それがローレン&マストロヤンニのゴールデンカップルの誕生。デ・シーカ監督のもとで『昨日・今日・明日』(1964)や『ひまわり』(1970)の大ヒット作、さらにはエットレ・スコラ監督の『特別な一日』(1977)のような燻銀のような傑作が生まれることになります。
けれどもマストロヤンニの魅力はまだ半分も語っていません。今回は、ヴィスコンティやフェリーニとの関係をもう少し詳しく見ていきたいと思います。ひとつには、1957年の『白夜』から『異邦人』(1967)までのふたりの関係。
そしてフェリーニとマストロヤンニの友情あるいは共犯関係を、『甘い生活』(1960)や『8½』(1963)から、『ジンジャーとフレッド』(1985)や『インテルヴィスタ』(1987)まで概観してみたいと思います。
次回の講座案内には、ベロッキオやトルナトーレの名前を挙げておきましたが、今回は無理のような気がしています。マストロヤンニのお話しは、たぶんさらにもう一回(第3回)まで続けられればと考えています。それはきっと「マストロヤンニの知られざる名作案内」のようなものになるはずです。
乞うご期待。
前回のマストロヤンニ講座の続きです。今年で生誕100年となるマルチェッロ・マストロヤンニ(1924 - 1996)を取り上げ、そのキャリアを振り返ります。フェリーニの『甘い生活』や『8½』、あるいはソフィア・ローレンと共演した『昨日・今日・明日』や『ひまわり』などが知られますが、その長いキャリアのなかでエットレ・スコラとの名作『特別な一日』、ベロッキオとの『エンリコ四世』、あるいはトルナトーレとの『みんな元気』などで見事な演技をみせてくれます。そんなマストロヤンニの出演映画の数々をご紹介しながら、名優の魅力に迫ってみたいと思います(講師・記)
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